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より良い「口腔ケア」の重要性

家族と一緒に食べることは精神衛生上重要です

低栄養による5年生存率は末期の膵臓がんより低いのです。

点滴では、1日500~800kcal程度しか摂取することができません。最低でも、1000kcal摂取できないと、どんどん身体を溶かしていくことになります。口から食べることができないということは、自分の身をすり減らして生きているようなものです。

事実、胃に直接だったり、特別な方法で点滴を受けることで、必要最低限の栄養を摂取することはできます。しかし、本人にとって「生きている」という実感はないのではないでしょうか?家族と一緒に食べることは精神衛生上、人として大切な事です。

口腔ケアは、誤嚥性肺炎の予防に効果を発揮します

口腔ケアの継続期間と誤嚥性肺炎発症率の関係

口腔ケアの継続期間と誤嚥性肺炎発症率の関係
  • 口腔ケアを実施した期間が長くなるにつれ、肺炎発症の抑制に効果がある。
  • 継続的な口腔ケアにより、発症が40%減少。

口腔ケアによる効果のプロセス

  • 口腔清掃によりバイ菌を除去し、感染源をシャットアウト
  • 嚥下訓練による嚥下機能の改善
  • 噛めるようになる上に、唾液が出るようになる
  • 味覚が改善し、食事も美味しく食べられるようになる
  • 栄養状態がよくなり、体力、身体の抵抗力や筋力が戻る

入居者様のQOL改善の流れ

口腔ケアのみでは対応できない摂食嚥下リハビリを加えた入居者さまのQOL改善の流れ

訪問歯科での嚥下障害の実際

特別養護老人ホームの管理栄養士さん

現在の食形態から段階を下げる事は出来ても、段階を上げることは非常に難しい。食形態の変更については利用者様のできる事を見つけて慎重に行っていきたい。

多職種間での情報共有と信頼関係が大事です

嚥下障害を有する入所者や食事摂取に関する認知機能の低下が著しい利用者の経口維持支援を充実させる事を目的とする、多職種による食事観察(ミールラウンド)や会議などの取り組みのプロセス及び咀嚼能力等の口腔機能を含む摂食嚥下機能を踏まえた経口支援の充実を目指しています。

特別養護老人ホームにて

ミールラウンド(経口維持加算)の様子

協力施設:大年寺山ジェロントピア
当院リハビリスタッフと施設職員で食事観察を行い問題点や対応等について話し合いを行う(月1~2回)

体重減少がみられる利用者
→ 早期から栄養面をサポートし、また意欲が回復。
重度認知症の方(口腔内溜め込みが多い方)の食事形態の検討
→ 食事形態変更を試し、適切な形態や介助方法を決定していく。また食欲に繋がるようなサポートを検討。

ミールラウンド(経口維持加算)の取り組みを開始して

飲み込み(嚥下)し易くなったことで食事時間が短くなった

・専門的な知識を知る事ができ、良いケアを行えることで毎日のケアの安心につながる。
・利用者様一人ひとりに合った訓練など、個別ケアが充実した。
・多職種で話し合う事により、多方面から利用者様になったアプローチができた。

利用者・介助者双方に無理のないより良いケアを実施します

摂食嚥下機能障害の方に対するサポートは食べる口をサポートする歯科(歯科医師・歯科衛生士)です。より良いケアは実施するには、機能面にアプローチ・支援・指導するリハビリ職と栄養をサポートする管理栄養士との連携は必要不可欠。退院時に、カンファレンスに言語聴覚士・管理栄養士が参加して、在宅復帰後すぐにサポートできる体制を構築していく事が必要であると考えます。

ミールラウンドを通じて

  1. それぞれの専門職で感じている問題点を挙げ、話し合える場が持てる。
  2. 定期的に行うことで変化に気付ける。
  3. 毎月行うことで、問題点に対する対応策についてフィードバックする事ができる。
  4. 退院後、多職種で情報共有する事で、連携して取り組む事が出来る。(同じ方向に進めていくことができる)